[2000.07.09]
  価値無き者たちの傲岸


 ▼AT&Tがウェブ匿名ツール、反検閲ツールを開発中(CNET Japan)
  http://cnet.sphere.ne.jp/News/2000/Item/000706-7.html


 街を歩いていれば,隣を歩いている人が,とんでもない大事件を画策していることもあるだろう。その計画を紙に書き殴っていることもあるだろう。だからといって,なにが彼を止められるか。国家や企業の,形骸の権力なら彼をブタ箱にぶち込むことはできる。でも,この地には,そんな力はいらない。

 AT&T社の研究者たちは,ユーザーが検閲の心配なしに,まったく匿名でオンラインにコンテンツを掲載できる技術に取り組んでいると発表した。このパブライアス・プロジェクトは,ファイルを分割と複製と暗号化によってサーバーに配信し,ユーザー自身でもファイルを削除できなくすることもできる。市民権保護団体は賛同しているが,著作権侵害や幼児ポルノなどの不正行為が懸念されている。

 記事中にもあるフリーネットは,GNUパブリックライセンスによるファイル共有ネットワーク(WIRED NEWSの記事)。他にも,世界一小さい独立国にサーバーを立て,どの国家からも介入できぬデータ・ヘイブンを作るというものもある(WIRED NEWSの記事)。折から,オーストラリア,フランスなどから,国家によるネット上のデータに対する検閲・規制が取りざたされている(過去記事)。フリーネットやデータ・ヘイブン,AT&Tの動きは,当然,それらへの危機感から端を発している。

 人々の記憶が検閲できないように,人々の感情が検閲できないように,人々の胸の中の思想が検閲できないように,私たちには決して他を許さぬ領域が必要だ。たとえその思想に凶悪なものが含まれていようとも,だ。そして完全な匿名の情報表示手段が調ったとき,リアルの国家の価値が失われる。まぁ,価値あるような国家だったら,別の動きが出てきそうなものだから,この流れを見ていればいいのだ。たぶん,すでに流れは決まっているだろうから。


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